扁額の寄贈について

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 この度、“近代剣道の祖”と称される「高野佐三郎」先生揮毫の書『克堪克忍』の扁額が本学道場に掲額されました。
 この扁額は、群馬県高崎市にある「荒木流学心館 岡田道場」に保管されていた物ですが、剣友会元副会長・鈴木孝宏先輩のご縁から『剣道を志す若者たちの道場に掲げることが望ましい』とのご厚意から五代目館長の岡田素教様より剣友会に寄贈されたものであります。
扁額は長い年月によって劣化していたため、今後の保存も考えて表具店にて剝がし洗いを施し、綺麗に化粧直しされた物が剣友会より剣道部に寄贈されました。
『克堪克忍』(かつじんかつにん)とは「堪忍」、すなわち耐え忍ぶ事を意味しますが、剣道の修行はこの「堪忍」の連続であり、修行とは文字通り「行を修める」ことであるから道の修行に忍耐は必要不可欠。さらにはただ堪え、ただ忍ぶのではなく、克(よく)堪え、克(よく)忍ぶことが肝要であり、『孟子』では克く堪え(堪え尽くす)、克く忍ぶ(忍び尽くす)ことが修行の目的を達成する早道である事を訓えています。
最近では何事も合理的に物事を進める、処理することを良しとする風潮ですが、このような状況であるからこそ、この言葉の意味は我々にも学生達にも大変貴重な教えであると喜んでおります。
既に道場正面に掲額されている『振武』も高野佐三郎先生のご揮毫ですが、先生は本学の前身である「日本体育会体操練習所」の設立に深く関わられており、本年で設立130周年を迎えた今、先生の「教え」が長い年月を経て本学道場に巡ってきたことも何かのご縁と感慨深く思っております。
現在は「緊急事態宣言」発出中につき、未だ道場にお越しいただくことはできませんが、いずれ入構が許可されたあかつきには是非多くの皆様にご覧いただきたくご案内申し上げる次第です。
終わりにこのような貴重な宝物をご寄贈いただいた岡田素教様、剣友会に心より感謝申し上げます。



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